小林泰三著『アリス殺し』シリーズがおもしろい!

こんにちは。

娘からおすすめされ、全部揃えるために購入してしまった本を紹介します。


2013年 東京創元社 小林泰三『アリス殺し』
2016年 東京創元社 小林泰三『クララ殺し』
2018年 東京創元社 小林泰三『ドロシィ殺し』
2020年 東京創元社 小林泰三『ティンカー・ベル殺し』

これはファンタジー小説であり、ミステリー小説でもあります。

まずは『アリス殺し』から読むのをおすすめします。
それ以外は順番に読まなくても大丈夫です。

どの話も現代と不思議な世界のストーリーが同時に進みます。
基本的に現代で起こる謎の死を調べていくという話ですが、ふつうのミステリーとは違い、不思議な世界との関わりや行動が重要になってくる話です。

ことばで説明するのは難しい……!

『アリス殺し』では、現代バージョンでは有栖川亜理目線で、不思議の国バージョンではアリス目線で話が進みます。

『不思議の国のアリス』をモチーフにしてつくられているので、不思議の国バージョンを読むのは大変です。

堂々巡りの理屈のとおらない不思議な会話が延々と続くのですから。

アリスの世界観が好きな人なら大丈夫かもしれませんが、小説に読み慣れていない人や、ファンタジーが苦手な人にはむずかしいかもしれません。

何冊か読むと、こうなるのかな?という想像力が働いてしまうシリーズですが、1作目はなかなか衝撃でした。

初めて読む種類のミステリーだったので、なんておもしろいんだろう!とびっくりしましたよ。

『クララ殺し』は、『アルプスの少女ハイジ』をモチーフにしていると思いませんか?
わたしはそのつもりで読み始めたのですが……。
実はこれ、『アルプスの少女ハイジ』はまったく関係ないのです!

E・T・Aホフマン『くるみ割り人形とねずみの王様』がモチーフになっています。
それ以外にもホフマンの主要作品(下記)がいろいろ入っているそうです。

・くるみ割り人形とねずみの王様
・黄金の壺
・砂男
・マドモワゼル・ド・スキュデリ

わたしは『アルプスの少女ハイジ』をモチーフだと思って読み始めたので、ハイジたちがまったく出てこないのにびっくり。

ホフマンの作品を知らなくても物語としては楽しめますが、知っているほうがより楽しめるでしょう。

上記作品の名前の人がたくさん出てくるのですが、その知識がないのでわたしはまったくの想像で読むことになりました。
なので、作者の意図とはまったく違う想像かもしれません。

『ドロシィ殺し』は、『オズの魔法使い』をモチーフをしてつくられています。
こちらは『オズの魔法使い』を知っているのでわかりやすかったのですが、その分ひねりを感じられなかったというか、物語の先が読めてしまったというか……。

3作目なので、真新しさがなくなっていたのもあるかもしれません。

そして、最後は今年発売された『ティンカー・ベル殺し』。
これは『ピーターパン』をモチーフにつくられています。

原作のピーターパンを知らなくても、ディズニーのピーターパンを知っていれば楽しく読めますよ。

わたしは『アリス殺し』と『ティンカー・ベル殺し』が好きです。

わたしが知っているピーターパンは明るい少年。ディズニーのイメージです。
でも、どうやら原作はそうではないようですね。
この本に出てくるピーターパンも残虐な面をもった少年です。

『アリス殺し』以外の主人公は、現代バージョンは井森、不思議な国バージョンは蜥蜴のビルです。
(井森とビルは『アリス殺し』では主役の相棒役でした。)

どの物語も、現代で起こる謎の死を不思議の国でのやりとりで暴くという形になっています。

もう、うまく伝えられないのがもどかしい!
でもほんとうにおもしろいんです。

ファンタジー好きな人にも、ミステリー好きな人にもぜひおすすめします。

お読みいただきありがとうございました。

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